スーパーオートバックス東雲で
馬力とトルクを測定してきました。
公称値と実測値との乖離
E70型X5Mはカタログ値で
最高出力:555ps(408kW)/6000rpm
最大トルク:69.3kg・m(680N・m)/1500~5650rpm
となっていますが、実際に測定したところ、
最高出力:606ps(446kW)/5890rpm
最大トルク:79.4kg・m/3410rpm
となりました。
カタログ値より51馬力高く、10.1kg・m太いトルクとなっています。
私のX5Mは認定中古車で購入しているので、チューニングは一切なくどこから見ても安心のノーマル車両です。何もいじられていないからこそ選んだ一台なのですが、カタログ値との乖離が大きくて驚きました。なぜこれほどの差が生じるのでしょうか。
私が以前このシャシダイで測定したE53型X5はカタログスペックとほぼ同値でした。しかし、名古屋のお客さんがノーマルの新型X6Mをこのシャシダイに持ち込んだ際、650馬力もあったそうです。新型X6Mのカタログスペックは575馬力なので、75馬力も余裕を残しての公称値となります。
となると、S63B44型エンジンだから実測値のほうが高いのか、あるいはS63B44型エンジン且つ四駆だから実測値が高くなるのか、そういう推測をしてしまいがちですが、このあたりのことはよくわかりません。ともかく、予想外の数字で驚きました。
リミッターを解除したほうが高出力
また、計測グラフが
上昇曲線を描いている途中でリミッターに当たって中折れしているため、リミッターが作動しなければ馬力はもっと出ていたでしょうとのことでした。
180km/hでリミッターを迎える国産車で特によくあるそうなのですが、すぐにリミッターに当たってしまう状態ではせっかくシャシダイに乗せても本当の最高出力を計測できなくてもったいないそうです。
ではリミッターを解除して出直そう、そういう気分になれるかとなると、どうもなれません。
まず、リミッターを解除する行為はプログラムを改変するコーディングに該当するので、その点で抵抗があります。
そして、以前にE53型X5でシャシダイ経験があるとはいえ、計測中の様子を間近に見ていると、これ以上の速度域・回転域はちょっと止めておこうと感じてしまいます。
シャシダイ計測中の動画
そのシャシダイ計測中の様子を映像に収めたのでご覧いただきたいのですが、後ろから見ているだけでも
結構な負担をかけていることがうかがえます。計測中に震度3くらいの地震が来たらどこかに吹っ飛んで行きそうでもあります。
また、
GoProを置いて計測中のメーターも同時に撮影していたのですが、
ローラーの上という非日常的な場所でここまでアクセルを踏むことに、やはりまだ抵抗があります。
負担をかけずに最高出力と最大トルクを計測したい、などと都合の良いことを言うつもりはありません。ただ、リミッターを解除してさらなる負担をかけてまで今回以上の数字を見たいかとなると、そこまでしなくても良いかなとなります。そもそも、吊るしの状態でこれだけの数値が出ていればもう満足です。
牽引フックは使えるだけ使う
駆動方式によっては牽引フックを使わない測定も可能だそうですが、測定中には何が起こるかわかりません。可能な限り、フックで固定したほうが良いです。
また、このX5Mのように前側に
2つ、後ろにも
2つのフックポイントがある場合には、「右側だけ」とか「左側だけ」で固定しての測定もできるそうなのですが、それでも左右両方でしっかり固定したほうが良いとのことでした。
牽引フックをボディの中央からズレたところで使うと、たとえばオープンカーのように剛性が低めのボディだと、計測時の負荷でわずかな歪みが生じることもあるそうです。
もちろん、歪むといっても10cmや20cmレベルで歪むわけではなく、法定速度の範囲内では支障ない程度だそうですが、そうであっても左右が非対称に歪んでしまうのは気分がよくないですし、その車が本来有していた性能にも影響が出そうなので、使えるフックポイントは全て使って計測に臨んだほうが精神衛生上も良いことでしょう。
ということで、私は購入時に備わってある一本の牽引フックに加え、さらに三本の牽引フックを追加購入し、
計四本で臨みました。
2年前との変化
このシャシダイを利用したのは今回が二度目で、前回はE53型X5でした。もう2年以上前になります。
記入用紙も二年前に比べて注意事項が増えており、
料金は前回の5000円から8640円となっていました。
ピット自体は
前回と変わらない場所にありましたが、前回はボンネットを開けたままの計測であったのに対し、今回は
きっちりと閉じた状態での計測です。ボンネットの開け閉めでどういう違いがあるのかはわかりません。
そして、前回測定した際には最高出力が刻印されたプレート型キーホルダーをいただいたのですが、スーパーオートバックス東雲では現在この馬力刻印プレートのサービスが終了しており、もう提供はしていないとのことでした。
さいごに
サーキットで走らせるような車でもない限り、そう何度もシャシダイに乗せる必要はないはずです。ただ、健康診断という意味合いで一度くらい計測しておくと良いのではないでしょうか。どういう結果が出るにせよ、現在の車の状態を知る手がかりになるはずですから。
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